自己管理、規律、アイデンティティ形成への寄与
はじめに:自由な校風における制服選択という新たな潮流
本レポートは、現代日本の教育現場における一つの逆説的な現象、すなわち通信制高校のような伝統的に服装が自由な教育機関において、生徒自身が制服の導入を望む声が高まっているという潮流を分析するものである[1]。この動きは、制服を上から押し付けられる画一性の象徴と見なす従来の視点に疑問を投げかける。本稿では、生徒たちが制服に見出す表面的な利便性を超えた本質的な価値を、「非認知能力」という分析の枠組みを用いて深く掘り下げていく。
考察の中心となる問いは、「なぜ生徒たちは、完全な選択の自由を与えられた環境で、あえて規制の象徴である制服を選ぶのか」という点にある。この選択は、自由の放棄ではなく、むしろ思春期の複雑な社会的・心理的課題を乗り越えるための戦略的なツールとして制服を捉えている可能性を示唆している。生徒たちは、制服が提供しうる心理的な足場、すなわち所属感、生活の構造、そして「高校生らしい」という望ましいアイデンティティを能動的に求めているのである[4]。
この現象の背後には、教育における文化的な変化が見て取れる。かつての制服が「服従の文化」の産物であったとすれば、現代の制服選択は「消費の文化」へと移行しつつある。生徒は単に規則を受動的に受け入れるのではなく、制服を「高校生活」というパッケージの重要な構成要素として積極的に選択し、消費している。通信制高校の生徒が制服を「要望」し[1]、私服校の生徒がファッションや社会的記号として「なんちゃって制服」を購買する行動[6] は、この消費行動を明確に示している。制服は、「青春っぽさ」といった象徴的価値[8] や、「毎朝着る服を選ばなくてよい」という実用性[9] に基づいて選ばれる商品となっている。したがって、制服は強制的な「管理の道具」から、選択可能な「アイデンティティ構築のための製品」へとその意味合いを変容させている。学校側が制服を導入するのは、生徒という「顧客」からの市場の要求に応える行為であり、これは学校と生徒の間の伝統的な権力構造に変化をもたらしている。重要なのは、制服が課されるのではなく、選ばれることによって、その持つ意味そのものが根本的に変わりつつあるという点である。
本レポートでは、この新たな文脈を踏まえ、制服の価値を自己管理能力、規律、そしてアイデンティティ形成という三つの非認知能力の育成への寄与という観点から包括的に再評価することを目的とする。
第1章:非認知能力の構造と教育における重要性
1.1. 非認知能力の定義:テストの点数を超えて
非認知能力とは、文部科学省の定義によれば、知識やIQといった数値化可能な「認知能力」とは対照的に、意欲、意志、情動、社会性に関わる能力群を指す[10]。これらは生まれつきの資質ではなく、乳幼児期から学童期、思春期を通じて、多様な経験の中で育まれるものである[12]。重要なのは、非認知能力が単一の能力ではなく、社会情動的コンピテンスとも呼ばれる、多岐にわたる内面的な力の総称であるという点である[13]。
1.2. 非認知能力の三つの柱
本レポートの分析枠組みとして、非認知能力を以下の三つの柱に分類する。この分類は、多くの研究で共通して用いられる整理方法である[14]。
1. 自己に向き合う力 (Skills for Engaging with Oneself): 自己の感情や行動をコントロールする「自制心」、困難に耐える「忍耐力」、失敗から立ち直る「レジリエンス(精神的な回復力)」、そして自身を客観的に捉える「メタ認知」などが含まれる。
2. 自己を高める力 (Skills for Self-Improvement): 目標に向かって努力し続ける「グリット(やり抜く力)」、物事に積極的に取り組む「意欲」や「主体性」、そして自分を価値ある存在として認める「自己肯定感」などが該当する。
3. 他者とつながる力 (Skills for Connecting with Others): 他者と協力する「協調性」、円滑な人間関係を築く「コミュニケーション能力」、相手の気持ちを理解する「共感性」、集団を導く「リーダーシップ」などが含まれる。
1.3. 現代における非認知能力の必要性
AIの進化や社会の急激な変化の中で、これらの非認知能力の重要性はかつてなく高まっている。知識の習得だけでなく、生涯にわたって能動的に学び続ける「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)」の基盤となるのが非認知能力である[17]。未来の社会では、単に知識を持つだけでなく、自ら課題を発見し、多様な人々と協力して解決策を創造する力が求められる[18]。非認知能力は、まさにこの「未来を生き抜く力」そのものであり、教育の中心的な柱として位置づけられ、大学入試においても多面的評価の対象となり始めている[18]。
教育界が非認知能力を重視する背景には、知識基盤経済の限界に対する認識がある。これは、「何を知っているか」から「どのように行動し、やり抜くか」への価値の転換を意味する。この文脈において、制服は単なる時代遅れの管理ツールではなく、これらのスキルを育むための環境要因として再検討されるべきである。未来に必要なレジリエンスや協調性といった能力[18] と、制服がもたらす構造化された環境を結びつけることで、新たな論理が浮かび上がる。制服が注意散漫になる要因を減らし、より秩序だった環境を提供することで、生徒がグリットや集中力、協調性といった非認知能力の育成に認知・情緒的リソースを振り向けることを可能にするのではないか。これにより、制服をめぐる議論は「制服か、自由か」という二元論から、「服装規定を含む学校環境を、21世紀型スキルの育成のためにいかに最適化できるか」という、より建設的な問いへと昇華される。
第2章:制服と自己管理・規律の心理的メカニズム
2.1. 行動の引き金と習慣形成の道具としての制服
毎朝着る服を選ぶという行為は、多くの生徒にとって少なからず認知的な負荷を伴う。制服は、この日々の意思決定プロセスを不要にすることで、朝の時間を効率化し、精神的なエネルギーを学業への準備に向かわせる効果を持つ[9]。さらに重要なのは、制服を着用するという日常的な儀式が、強力な心理的な引き金として機能する点である。制服に袖を通すことで、生徒は家庭でのリラックスしたプライベートな領域から、学校という公的で構造化された領域へと意識を切り替えることができる。これは「学習モード」への移行を促し[4]、一日を計画的に始めるという基本的な自己管理の習慣を形成する一助となる[24]。
2.2. 外的規範の内面化
制服は、校則という学校のルールを具体的に体現したものである[26]。服装規定を一貫して遵守する行為は、より広範な規律意識や共同体の規範を尊重する態度の内面化に向けた第一歩となりうる[27]。制服を正しく着用することは、ルールに従うという行動を日々実践することに他ならず、この経験は学校生活の他の側面にも般化される可能性がある[30]。これは、非認知能力の一つである「自制心」の涵養に直接的に関連している[14]。
思春期は、自己主張と自己抑制のバランスを学ぶ重要な発達段階である。制服という外的規範は、この時期の若者にとって、自己の欲求を状況に応じてコントロールする訓練の場を提供する。特に、実行機能を司る前頭前野がまだ発達途上にある青年期において、制服は自己管理能力を育むための「環境的足場(スキャフォールディング)」として機能する。服装の選択という複雑な社会的計算を伴うタスクを取り除くことで[9]、意思決定に伴う疲労を軽減し、生徒がより安定した朝の習慣を築くことを支援する。この「学校の準備をする」という基本的な習慣が、学習計画の立案や課外活動の管理といった、より高度な自己管理スキルの土台となるのである。制服が直接スキルを創造するわけではないが、スキルを実践し、発展させやすい安定した環境を提供する点で重要な役割を担う。
2.3. 外見と心理状態の連関
人の外見や身だしなみは、その内面的な心理状態と密接に関連していることが指摘されている。服装の乱れや身だしなみへの無関心は、うつ病や適応障害といった精神的な不調のサインである場合がある[31]。逆に、服装を整えるという行為は、心理的な安定に寄与する可能性がある。制服は、生徒に一定水準の整った外見を維持することを求める。これにより、たとえ気分が落ち込んでいる日であっても、外見的な秩序が保たれ、自己評価の低下を防ぎ、心理的な安定を支える防波堤となりうる[34]。
2.4. 反論と多角的な視点
一方で、規律や自己管理能力が制服のみによって育成されるわけではないことを明確に認識する必要がある。「ブラック校則」と批判されるような、過度に厳格で非合理的な服装規定の運用は、生徒に精神的な苦痛を与え、学校への不信感を募らせるだけで、真の規律心を育むことには繋がらない[36]。真の自己管理とは、内的な動機付けに基づく自律的な行動であり、それは生徒の主体性を尊重する自由な服装の環境下でも、他の教育的アプローチを通じて十分に育成可能である[2]。
制服の教育的効果は、その運用方法に大きく依存する。以下の表は、制服が非認知能力に与える影響を多角的に整理したものである。
| 非認知能力 | 制服による潜在的なプラスの影響 | 潜在的なマイナスの影響/リスク | プラスの効果を促す媒介要因 |
|---|---|---|---|
| 自制心 | 日々の服装規定の遵守が、ルールに従い、短期的な欲求を抑制する訓練となる。 | 外的ルールへの過度な依存が、内発的・自律的な自己規制能力の発達を阻害する可能性がある。 | 明確で合理的、かつ柔軟に運用されるルール。服装規定の策定プロセスへの生徒の参加。 |
| やり抜く力 (グリット) | 服装選択の悩みをなくし、学業や目標達成への集中力を高める環境を提供する。 | 画一的な服装が学習意欲を削ぎ、学校生活へのエンゲージメントを低下させる可能性がある。 | 快適で機能的、かつ生徒が誇りを持てるデザインの制服。 |
| メタ認知 | 制服着用により「生徒」という役割を客観視し、その役割にふさわしい行動を意識する機会となる。 | 「制服を着ていればよい」という思考停止に陥り、TPOに応じた服装を自ら判断する能力が育たない。 | 制服の意味や目的について、生徒自身が考え、議論する機会を設ける服育の推進。 |
| 協調性 | 全員が同じ服装をすることで一体感が生まれ、集団内での協力的な行動を促進する。 | 同調圧力を生み出し、異なる意見や個性を持つ生徒を排除する雰囲気を助長する危険性がある。 | 多様性を尊重する学校文化の醸成。ジェンダーレスなど選択肢のある制服制度の導入。 |
この表が示すように、制服というツールがプラスに働くかマイナスに働くかは、その制度設計と運用、そして学校全体の教育文化に懸かっている。制服の価値を最大化するためには、単なる規則の強制ではなく、生徒の主体的な関与と発達段階への配慮に基づいた、思慮深いアプローチが不可欠である。
第3章:制服とアイデンティティ形成の二面性
3.1. 社会的アイデンティティと所属感の醸成
制服は、特定の集団への所属を示す強力な象徴である。同じ制服を着用することは、その学校の生徒であるという「帰属意識」と、仲間との一体感を育む[22]。この共有されたアイデンティティは、生徒間に連帯感を生み出し、私服によって露呈しがちな家庭の経済格差を覆い隠すことで、服装を理由としたいじめのリスクを低減させる効果も期待される[40]。これは、青年期における自己概念の重要な側面である「社会的アイデンティティ」の形成を支える。
3.2. 個性の抑圧と制約の中での表現という緊張関係
制服に対する最も一般的な批判は、個性を抑圧するという点である[4]。しかし、この見方は一面的なものに過ぎない。実際には、多くの生徒が校則という定められた枠組みの中で、巧みに自己表現を行っている。靴下やカバン、髪型、あるいは制服の微妙な着こなし方によって個性を表現する「プチ個性」と呼ばれる現象がそれである[29]。この制約の中での創意工夫は、ルールを遵守しながらも自己のアイデンティティを維持する方法を学ぶ貴重な経験となり、創造性や問題解決能力を育む訓練ともなりうる。
このプロセスは、思春期のアイデンティティ形成における重要な力学を反映している。青年期は「自分は何者か」を模索する激動の時期であり、外見はその探求の主要な手段となる[45]。服装が自由な環境では、ファッションを通じて自己を定義しなければならないというプレッシャーが、時に大きな不安や社会的・経済的格差に起因するストレスを生むことがある[20]。制服は、この服装という主要な変数を中和する[38]。それは社会的に受容される外見のベースラインを提供し、生徒を日々のファッション選択のプレッシャーから解放する。これにより、自己表現の場が消えるのではなく、むしろ移動するのである。生徒たちは、アクセサリーや身だしなみ、そしてより本質的な興味や人間関係といった、服装以外の要素で自己を差別化しようと試みる。このように、制服はアイデンティティを消去するのではなく、その表現媒体を変化させる。服装にまつわる社会的・経済的なリスクを低減することで、生徒がブランド品ではなく、自己の内面や他者との関係性に基づいてアイデンティティを築くための、より安全な「安定したプラットフォーム」を提供する可能性がある。
3.3. 「なんちゃって制服」に見る、憧れとしてのアイデンティティ
私服校の生徒たちの間で「なんちゃって制服」が人気を博している事実は、制服が持つアイデンティティ形成における役割を雄弁に物語っている。この現象は、制服が象徴する「高校生」というアイデンティティが、多くの若者にとって憧れの対象であることを示している[7]。それは、メディアなどを通じて共有される「理想の高校生活」や青春のイメージに参加するための手段なのである[5]。これは、制服が単に特定の学校への所属を示すだけでなく、「高校生」というより広範な社会的カテゴリーへの帰属願望を満たす機能を持っていることを意味している。
3.4. 現代的課題:ジェンダー、多様性、そしてインクルージョン
女子はスカート、男子はスラックスといった厳格な性別の二元論に基づく伝統的な制服は、ジェンダー・アイデンティティに関する現代的な理解と相容れないものとなりつつある[40]。制服が全ての生徒にとっての所属感を育むためには、インクルーシブな制度設計が不可欠である。具体的には、性別に関わらず全ての生徒がスカートとスラックスを選択できるようなジェンダーレス・オプションの導入は、トランスジェンダーを含むLGBTQ+の生徒たちが安心して学校生活を送るための重要な配慮となる[48]。制服が真に共同体の象徴となるためには、多様な生徒一人ひとりのアイデンティティを尊重するものでなければならない。
第4章:エンクローズド・コグニション理論から読み解く制服の深層心理効果
4.1. エンクローズド・コグニション理論とは
制服が着用者の心理に与える影響を科学的に解明する上で、「エンクローズド・コグニション(Enclothed Cognition: 着衣認知)」という理論は極めて有効な視座を提供する。2012年にHajo AdamとAdam D. Galinskyによって提唱されたこの理論は、衣服が着用者に与える影響は、二つの要因の相互作用によって生じると主張する。その二つとは、①衣服が持つ象徴的な意味と、②その衣服を物理的に着用するという経験である[50]。単にその服を見るだけでは不十分であり、実際に身にまとうことで、その服に関連づけられた心理的プロセスが活性化されるのである。
4.2. 白衣の実験:理論の基盤
この理論の基盤となった独創的な実験では、被験者に白衣を着用させ、注意力を測定する課題に取り組ませた。その結果、同じ白衣でも「医者のコート」だと説明されて着用したグループは、「画家のコート」だと説明されたグループや、単に「医者のコート」を見ただけのグループに比べて、持続的注意力が有意に向上した[50]。この実験は、衣服に付与された「意味」が、その心理的効果を決定づける上で極めて重要であることを鮮やかに証明した。「医者の白衣」は注意力や知性、慎重さといった概念を象徴しており、それを着用するという身体的経験が、着用者の脳をその象徴に沿った形で機能するようにプライミング(刺激)したのである。
4.3. 学校制服への理論の応用
この理論的枠組みを学校制服に適用すると、その深層心理的な効果が明らかになる。
象徴的な意味: 学校制服は、「生徒」「学習」「規律」「勤勉」「若さ」といった多様な概念と象徴的に結びついている[23]。
物理的な経験: 毎朝制服に袖を通し、鏡に映る「生徒」としての自分の姿を見るという行為は、その役割を身体的に体現する経験である。
認知的な効果: エンクローズド・コグニション理論によれば、この象徴的意味と物理的経験の組み合わせが、認知的なシフトを引き起こす。生徒の脳は、「生徒」という役割に関連する思考様式や行動をとるようにプライミングされる。これにより、無意識のうちに集中力が高まり、学習に対する真摯な態度が促進され、校則に合致した行動が促される可能性がある[54]。制服は、他者に対して自分が生徒であることを示すだけでなく、自分自身の内面に対しても「私は今、生徒である」という強力なシグナルを送っているのである。
4.4. 理論が示唆する広範な含意
この理論は、なぜ制服が一部の生徒にとって自己を奮い立たせる効果を持つのかを説明する。制服を着ることは、「生徒」という役柄に入り込むための衣装合わせのようなものであり、その役割を全うするための心理的準備を整えるのである[56]。また、制服を着崩したり、だらしなく着用したりすることが、学習態度の乱れと結びつきやすい理由も説明できる。それは、着用者が制服の持つ肯定的な象徴的意味を十分に体現していない、あるいは拒絶していることの表れだからである。このように、エンクローズド・コグニションは、服装、精神状態、そしてパフォーマンスの間の直感的な関連性に、科学的な裏付けを与えるものである。
さらにこの理論は、制服のデザインや品質が単なる審美的な問題ではなく、その心理的効果を左右する極めて重要な要素であることを示唆している。エンクローズド・コグニションの核心は衣服の「象徴的意味」にある[50]。思春期の生徒にとって、その象徴的価値を測る主要な軸の一つは、「魅力的か、そうでないか」である[4]。もし学校の制服が古臭く、着心地が悪く、生徒から「ダサい」と認識されている場合、その制服が持つ主要な象徴的意味は「抑圧」「画一性」「非魅力」といったネガティブなものになる。このような否定的な記号を毎日身にまとうことは、理論上、生徒を不満や低い自己肯定感、反抗心といったネガティブな心理状態へとプライミングしかねない。逆に、デザイン性に優れ、現代的で、生徒が着たいと思うような魅力的な制服(これは学校選択の重要な要因にもなっている[57])は、誇りや自信、学校への肯定的な帰属意識といったポジティブな象徴的意味を帯びる。それを着用することは、生徒の自己肯定感や学習意欲を高める方向に作用するだろう。したがって、教育者が問うべきは「制服は必要か否か」という単純な二者択一ではなく、「どのような制服が、生徒の非認知能力育成に最も寄与するのか」という、より質の高い問いである。学校がデザイナーズブランドの制服を導入したり、生徒がファッショナブルな「なんちゃって制服」に惹かれたりする現象は、この衣服の象徴的意味をめぐる力学を如実に反映している。
第5章:現代的文脈における制服の価値再定義
5.1. 多様な学習環境における制服の新たな役割
通信制高校やオルタナティブスクールといった柔軟な学習環境において、制服は新たな目的を担いつつある。そこでの制服は、日々の行動を管理するためのものではなく、スクーリングや学校行事、式典といった特別な機会に、共同体意識や一体感を醸成するためのツールとして機能する[3]。普段は個別に学習を進める中で孤独を感じがちな生徒にとって、制服は学校という共同体に物理的に「接続」し、仲間との繋がりを確認するための任意選択可能な手段となる。それは、生徒としての自己認識を強化し、学習へのモチベーションを高める効果を持つ。
5.2. 経済性と公平性をめぐる議論の再検討
制服が家庭の経済格差を隠し、生徒間の平等を促進するという主張は、古くからの有力な論拠の一つである[40]。しかし、この議論は、制服一式を揃えるためにかかる高額な初期費用が、特に低所得世帯にとって大きな経済的負担となるという現実と向き合わなければならない[60]。公平性の論拠が説得力を持つためには、学校や自治体による制服購入費用の補助といった、経済的支援制度の整備が不可欠である。また、学校間競争が激化する中で、一部の私立学校では高価なブランド制服がそれ自体ステータスシンボルとなっており、制服が格差を隠すどころか、新たな格差の象徴となりうるという皮肉な状況も生まれている。
5.3. 戦略的なブランディングツールとしての制服
少子化が進み、学校が生き残りをかけて生徒を確保しようとする時代において、制服は学校の魅力を発信する強力なブランディングツールとなっている[57]。洗練されたデザインの制服は、学校の教育理念や校風を視覚的に伝え、志願者やその保護者に対して強いインパクトを与える。制服は、学校の「コーポレート・アイデンティティ(CI)」ならぬ「スクール・アイデンティティ(SI)」を体現するものであり、学校選択において決定的な要因の一つとなりうる[64]。
現代の制服は、三つの異なる、そして時には競合する力の交差点に存在している。それは、①教育(非認知能力育成のツールとして)、②商業(生徒が選択し、学校がマーケティングに用いる商品として)、そして③社会正義(格差是正の手段、あるいはアクセスの障壁として)である。効果的な制服政策とは、これら三つの力のバランスを巧みに取ることに他ならない。例えば、マーケティング効果の高いデザイナーズ制服(商業)は、高価になりがちで経済的公平性を損なう(社会正義)可能性がある。規律維持を目的とした伝統的で厳格な制服(教育)は、生徒の人気を得られず、個性の表現を過度に抑圧する(社会正義)かもしれない。したがって、制服の「価値」は単一ではなく、多面的で複雑なものである。専門的な提言は、単純な賛成・反対ではなく、これらの競合する利益を調整し、教育的に健全で、商業的にも成立し、かつ社会的に公正な政策を構築するための枠組みを提示するものでなければならない。
結論と提言:非認知能力育成のための制服活用の指針
6.1. 分析の総括
学校制服は単なる衣服ではなく、心理的に強力な影響力を持つ象徴である。適切な条件下で運用されるならば、それは自己管理、規律、アイデンティティ形成といった非認知能力を育成するための価値あるツールとなりうる。しかし、その効果は自動的に保証されるものではなく、導入される文脈、運用方法、そして生徒自身の認識に大きく左右される。制服は構造と安定性を提供しうる一方で、不適切な運用は生徒の主体性を阻害し、反発心を生む危険性もはらんでいる。
6.2. 提言1:生徒中心で柔軟な制度設計の採用
生徒参加の促進: エンクローズド・コグニション理論が示すように、制服が肯定的な象徴的意味を持つことが極めて重要である。学校は制服のデザインや選定プロセスに生徒を積極的に関与させ、生徒が誇りと愛着を持てる制服を共創すべきである。
選択肢の提供: 多様性、ジェンダー・アイデンティティ、快適性を尊重するため、スラックスとスカートを全生徒が選択可能にする、季節に応じた多様なアイテムを用意するなど、柔軟な選択肢を設けるべきである。これにより、制服は画一的な強制から、枠組みの中での自己選択へと移行する。
目的共有型の指導: 服装指導においては、懲罰的で恣意的なルールの適用ではなく、制服が持つ教育的意義や目的を生徒と共有し、相互理解に基づいた指導を心掛けるべきである。
6.3. 提言2:包括的な教育環境の一部としての位置づけ
制服は万能薬ではない: 制服は、肯定的な学校文化、良好な教員と生徒の関係、そして非認知能力を意図的に育むカリキュラムを代替するものではない。あくまで、それらを補完する一つの環境要因として捉えるべきである。
自由服校への導入: 服装自由の学校が制服導入を検討する際は、生徒の主体性を尊重し、義務化ではなく「標準服」としての任意選択制を基本とすることが望ましい。これにより、構造や所属感を求める生徒のニーズに応えつつ、自由を重視する生徒の選択も保障できる。
経済的支援の徹底: 制服がもたらす公平性の理念を実質的なものにするため、購入費用の負担が困難な家庭に対する手厚い経済的支援制度を確立することが不可欠である。
6.4. 将来展望:新たな制服文化に向けて
学校制服の未来は、管理と統制の象徴から、学校と生徒が共同で創造するコミュニティとアイデンティティの象徴へと進化する道筋の中にある。教育者は、制服が持つ深層心理的なメカニズムを深く理解し、それを画一性を強制するためではなく、社会が求めるレジリエントで、自己認識に優れ、協調性豊かな人間を育むための思慮深いツールとして活用していくことが求められる。
引用文献
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- 30. 校則がある理由とは? 理不尽ではと疑問を感じたら \- オールアバウト, 10月 27, 2025にアクセス、 https://allabout.co.jp/gm/gc/484428/
- 31. うつ病・適応障害での顔つき・外見の変化5つ【外からの症状 \- こころ診療所吉祥寺駅前, 10月 27, 2025にアクセス、 https://kokoro-kichijoji.com/psychiatry/utudetail/utukaotuki5.html
- 32. 【チェックリスト付き】適応障害で顔つきは変わる?見た目の変化やその原因を解説, 10月 27, 2025にアクセス、 https://fire-method.com/tomoshibi/column_tomoshibi/adjustmentdisorder-facial-changes/
- 33. 適応障害は「みんなそう」じゃない?誤解されがちな症状と本当の違い \- あしたのクリニック五反田院, 10月 27, 2025にアクセス、 https://asitano.jp/article/8109
- 34. おしゃれの心理的効果とストレスホルモンへの影響 \- CiNii Research, 10月 27, 2025にアクセス、 https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205558553344
- 35. 「服装の乱れは心の乱れ」は本当だった:応用心理学 \- ぽっぽブログ \- studio poppo, 10月 27, 2025にアクセス、 https://studiopoppo.jp/poppoblog/psychology/8492/
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